コウメイ:読者の方から「文字を読みたくないのですが・・」との相談をいただきましたので回答します。
私は文字を読むのが嫌いで、勉強はすべてネット講座で行っています。問題集の解説を読む事は嫌で出来るだけ避けたいです。ネット講座の講師もノートのアウトプットが大切で、解説に線を引いても意味ないとおっしゃっているため、本当に読む気がしません・・。
しかし、周りを見渡すと解説をしっかり読み、イヤーノートで調べ・・という子が大半です。そう考えると、やはり解説や教科書も読んだ方が良いのでしょうか?
1)勉強の導入はネット講座
医学に限らず高校での勉強や大学での勉強など何でもそうですが、新しいことを勉強し始めるときは教科書を読んでも理解するのが難しいです。この段階では先生や講師から教えてもらった方が分かりやすく効率よく学ぶことができます。よって、勉強の導入としてはネット講座は適しています。
2)復習は教科書
ネット講座のメリットを説明しましたが、デメリットもあります。それは時間です。
同じ文字数の場合、
読む(教科書) < 話す・聞く(ネット講座) < 書く
の順に時間がかかります。理解できる内容であれば教科書の方がネット講座より早く勉強できます。復習はネット講座ではなく教科書やテキストで行うのがよいです。
3)より深い勉強は教科書
また、講師は医師国家試験合格に必要な知識全てを講義中に話しているわけではありません。前述のように話すという行為は時間がかかりますからね。医師国家試験に必要な知識の中から特に大事なものを選択しています。
よって、細かい知識やより深い内容は自分で補わなければいけません。そのためには教科書を読む必要があります。
4)研修医の勉強は教科書(専門書、マニュアル)
医師国家試験は医師として働く上での最低限の知識になります。研修医になり実際に医療をする際は専門書や各科のマニュアルでさらに勉強する必要があります。
普段、医大生・研修医を指導していますが、以下はしばしば経験するやりとりです。
コウメイ:○○の病気の治療法について調べておいてね。
医大生・研修医:(翌日)教科書に載っていませんでした。
コウメイ:本当に?ちょっとその本見せてみて。(教科書を受け取る)。ここにちゃんと書いてあるじゃん。
医大生・研修医:・・・。
コウメイ:○○の病気の治療法について調べておいてね。
医大生・研修医:(翌日)治療は□□です(間違った内容)。教科書に書いてありました。
コウメイ:本当に?ちょっとその本見せてみて。(教科書を受け取る)。それ違う病気のページだよ。
医大生・研修医:・・・。
程度の差はありますが、このようなことがしばしば起こります。医大生ならまだしも、研修医でこのような状態だと治療を任せることはできなくなります。
教科書やマニュアルを適切に使用するにはある程度慣れが必要ですので、医大生のうちから教科書で勉強する癖をつけておくことをお勧めします。
5)読んでいて楽しい教科書・参考書を選ぶ
確かに教科書の中には読みづらいくあまり楽しくないものが存在します。特に古い本はそうかもしれません。昔なら選択肢が少なかったのでそういうものを選ばざるを得なかったのかもしれませんが、最近は分かりやすくかつ役に立つ本がたくさんあります。無理につまらない本を読む必要はありませんので、その分自分に合った教科書を見つける努力はするようにしましょう。基本的には大きな書店に行くのがお勧めです。
6)イヤーノートの利用法
イヤーノートは知らない疾患を新たに勉強するためではなく、知っている疾患だが内容を忘れたときに確認のために使う本です。ネット講座で勉強した後により詳しく知りたい場合はきちんと病態を説明している本を利用するようにしましょう。
7)補足:下線について
当然ですが下線はただ引いては意味がありません。しかし、目的を持って引けばより効率よく勉強することができます。私は大事な部分には線を引いています。