マンニトールがうっ血性心不全に禁忌の理由 〜薬の単純な分類はやめよう〜

コウメイ(@kokusigokaku):読者の方からマンニトールについて質問をいただいたので回答します。まずは質問を見てみましょう。

読者からの質問

利尿薬であるマンニトールがうっ血性心不全で禁忌となるのはなぜでしょうか?うっ滞性心不全であれば利尿薬はfirst choiceだと思いますので納得できません。

 

マンニトール=利尿薬と一色単に考えるのではなく、きちんとマンニトールの作用機序を理解することが大切です。

マンニトールとは? 〜濃い液体を点滴する〜

いつも言っていますが、勉強するときに文字だけ知っていてもあまり役に立ちません。実物を見てみましょう。マンニトールは瓶に入っている液体です。これを点滴して使用します。

マンニトール

マンニトールの作用機序 〜適応と禁忌〜

このマンニトールですが、簡単に言えばめちゃくちゃ濃い液と覚えてください。このめちゃくちゃ濃い液を点滴し血管にいれるとどうなるでしょうか?

マンニトールに限らず濃い液(アルブミン液、食塩水など)は水を引きつける力(浸透圧)があります。そのため細胞や間質から血管に水の移動が起こります。その結果、血液量が増えた(hypervolmic)状態となります。

マンニトールは糸球体を通り原尿となりますが、周りに水をひきつけたまま排泄されます。その結果、尿量は増えます。 

以上をまとめるとマンニトールには

  1. 細胞や間質から血管内に水を移動させ
  2. 尿量を多くする

働きがあります。

1の働きがあるため脳浮腫急性緑内障発作の治療に、2の働きがあるため利尿薬として用いられます。しかし、前述したようにhypervolmicになるので、うっ血性心不全には禁忌です。

薬の単純な分類はやめよう 〜なぜその作用があるかを理解する〜

特に研修医になって実際に薬を処方するときは、薬を単純に分類するのは止めましょう。例えば、

  • NSAIDsは痛みをとる薬
  • ドパミンは血圧を上げる薬
  • ブチルスコポラミンは腹痛の薬
  • メトクロプラミドは吐き気止めの薬

という分類は単純過ぎであり、不適切な投与をする可能性があります。なぜその作用があるかを理解し使用することが大切です。