感染性心内膜炎と左房粘液腫の鑑別のポイント

最終確認日:2017/07/27 最終更新日:2017/07/27

コウメイ:読者の方から「感染性心内膜炎と左房粘液腫との鑑別」についての質問をいただきましたので回答します。まずは質問を見てみましょう。

※国試の過去問に対しての質問ですが、過去問を見なくても内容は理解できます。

読者からの質問

99A22について質問です。感染性心内膜炎と粘液腫の鑑別はどのようにすればよいでしょうか。どちらもMR/MSになりえますし、炎症反応もあります。エコーでも大きさ等は違えど似たような所見だと思います。

感染性心内膜炎の場合は、Osler結節等があれば即決できるのですが、それ以外ですと抜歯などの感染を疑わせるヒストリーや基礎疾患の有無、血液培養の結果(でも、なかなか起因菌は出てこないとうかがいましたが)を重視して診断したらいいのでしょうか。

国試では、そういったことが記載されていなければ粘液腫という消去法的な考えでいいのでしょうか。

 

コウメイ:質問者はすでに答えがでているようですが、少し補足していきます。主に感染性心内膜炎(IE)について説明します。

感染性心内膜炎(IE)の基礎疾患

IEは「健康なひとが知らない間になっちゃった」みたいな病気ではありません。何かしら基礎疾患があります。特に心臓の弁に異常が起こるような疾患を持っています。例えば

  • リウマチ熱の既往
  • 心室中隔欠損症
  • 僧房弁逸脱症候群
  • 僧房弁閉鎖不全症
  • 大動脈弁閉鎖不全症
  • 人工弁

などが有名です。

 

菌が体に入る原因

基礎疾患があっても血液に菌がいないと本症は起こりません。これも、「なぜか知らないけど血液に菌が入っていた」ということは起こりません。何かしら原因があります。例えば

  • 抜歯
  • う歯
  • 尿カテーテル
  • 血管カテーテル
  • 注射針の使い回し(麻薬使用者)

などが有名ですね。

検査

血液培養

感染性心内膜炎のガイドラインによれば95%が血液培養陽性になります。非常に重要な検査です。

心エコー

感染性心内膜炎はどこの病気でしょうか?基本的に弁の病気です。疣贅は弁にできます。それでは左房粘液腫はどこの病気でしょうか?その名の通り、左心房です。塊は左心房の中にあります(心房中隔と茎でつながっています)。

このようにIEと左房粘液腫は存在する場所が違います。また、左房粘液腫は腫瘍なのででかいののが特徴です。

以上で解説は終わりですが、これらの所見がなかったら左房粘液腫とかいう消極的なものではなく非常に重要な所見です。基礎疾患がなく、原因もなく、検査も陰性の感染性心内膜炎は考えにくいです。今回は以上で終わりです。お疲れ様でした(^_^)