コウメイ:読者の方から「感染性心内膜炎の治療」について質問をいただきました。
読者からの質問
心房細動では抗凝固薬としてワーファリン投与しますが、感染性心内膜炎では禁忌となっていました。理由は、抗凝固療法はIEの塞栓を予防しないで、むしろ頭蓋内出血を起こしやすくするためとありました。血栓と疣贅は違うものなのでしょうか。
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疣贅はワルファリンで溶けない
そもそもですが、血栓と疣贅は違うものであり、疣贅をワルファリンで溶かそうという発想をする方は少ないと思います。
ただし、血栓と疣贅が違うのは分かるけど、疣贅もワーファリンで溶けるかもしれないとの考えも浮かびます。同様に思われた方がいて既に論文になっています。それによると、ワーファリンに疣贅を溶かす作用はなく、脳出血のリスクを上げるので感染性心内膜炎にワーファリンは使ってはいけないとのことです(NEngl J Med 2001; 345:1318-1330)。