副甲状腺機能低下症による低カルシウム血症で骨軟化症になるのか?

最終確認日:2017/08/06 最終更新日:2017/08/06

コウメイ:読者の方から副甲状腺機能低下症について質問をいただいたいので回答します。まずは質問を見てみましょう。

読者からの質問

副甲状腺機能低下症により低カルシウム血症をきたすと、骨軟化症をきたすと考えたのですが、そのような記述は教科書等にありません。

あるビデオ講座では、骨軟化症の原因は血中のCaやPの低下だと学びましたが、この考えはそもそも間違っているのでしょうか?骨の材料となるCaが低下した場合、骨軟化症は起こると考えられないのでしょうか。

 

PTHの2つの作用

副甲状腺から分泌されるPTHは骨と腎に作用することでCaの量を調整しています。基本的に血中のCa濃度を上げるのが目的です。

骨:CaとPを上げる

骨吸収(簡単に言うと骨が溶ける)が活発になります。その結果、血中のCaとPの濃度が上がります。

腎:Pを下げる

CaとPは積(Ca×P)が一定以上になると石灰化します。血中で石灰化しては困ります。PTHは腎でCaを排出するよう作用します。

以上の結果、血中のCaは上がりPは下がります。

 

骨軟化症(くる病)とは?

骨軟化症と骨粗鬆症との違い

ところで、骨軟化症とは何でしょうか?骨は石灰化されていない類骨と石灰化されている石灰化骨から成ります。骨軟化症は類骨の割合が大きいものです。ちなみに骨軟化症は類骨と石灰化骨の割合は変わりませんが、それぞれの絶対値が小さくなったものを言います。大人で起これば骨軟化症、子供で起こればくる病です。

 

PTHが低下するとどうなるか?

基本的事項を理解したところで、PTHが低下するとどうなるか考えてみましょう。骨吸収はあまり起こらなくなります。その結果、血中のCa値は低くなります。

一見すると血中Caが低下するので骨軟化症や骨粗鬆症が起こりそうですが、そもそも骨吸収の低下が原因なので骨からCaが減るわけではありません。よって、骨軟化症や骨粗鬆症は起こりません。

 

副甲状腺機能亢進性による線維性骨炎

むしろ、副甲状腺機能が亢進すると骨吸収が活発になるので、血中のCa濃度は上がりますが、骨はスカスカ(線維性骨炎)になることが起こります。

今回の講義は終わりです。お疲れ様でした(^_^)