大動脈瘤(大動脈解離)で喀血する理由

最終確認日:2017/07/27 最終更新日:2017/07/27

コウメイ:読者のから「大動脈瘤(大動脈解離)でなぜ吐血するのか?」との質問をいただいたので回答します。まずは元になった問題を見てみましょう

第104回医師国家試験D27
第104回医師国家試験D27 第104回医師国家試験D27画像

 

この問題に対し以下のような疑問を持ったようです。

読者からの質問

eの口角下垂が明らかに違うのは分かりますが、某解説には「b:大動脈瘤からの破裂が肺実質に及ぶと喀血の原因となる。」と書いてありました。破裂が肺実質に及ぶことなんてあるのでしょうか?

 

大動脈と気管、食道との瘻孔

コウメイ:読者の方が納得できないように「破裂が肺実質に及ぶ」というのはおそらく違うと思います。正しくは瘻孔が原因と考えられます。

まず大動脈と気管支(肺)、食道とが接しているのを、下のイラストで確認してください。

大動脈と気管と食道

 

大動脈瘤があると気管支、食道に圧力がかかります。当然、大動脈自体にも圧力がかかっています。人間の体は圧力がかかると瘻孔を作ることがあります。つまり、大動脈と気管支(肺)、食道との間に交通ができます。 

気管支(肺)と瘻孔を作れば喀血となり、食道と瘻孔を作れば吐血の原因になります。

 

他の問題でも喀血の選択肢

大動脈瘤(大動脈解離)で喀血を来す症例はそれほど多くないのですが、第104回医師国家試験ではA問題にも「喀血」が登場します。おそらく同じ先生が作ったのでしょう。

第104回医師国家試験A23
第104回医師国家試験A問題23

第104回医師国家試験A問題23画像 

【正解:e】

 

大分強調したいようなので、今後も出題される可能性があります。これを気に覚えておくとよいですね。今回は以上で終わりです。お疲れ様でした(^_^)