長引く咳(慢性咳嗽)の鑑別 〜肺癌と結核の可能性は低い?〜【101H25】

コウメイ(@kokusigokaku):読者の方から「咳」について質問をいただきました。まずは質問の元になった医師国家試験の過去問を見てみましょう。

第101回医師国家試験H25

65歳の女性。2か月前から続く咳嗽を主訴に来院した。痰は伴わず、胸やけがあり、鼻汁と鼻閉とが時々ある。喫煙歴はない。身体所見に異常を認めない。3か月前の健康診査で胸部エックス線写真は正常である。原因として頻度が低いのはどれか。2つ選べ。

  1. 喘息
  2. 肺癌
  3. 肺結核
  4. 副鼻腔炎
  5. 逆流性食道炎
答え(クリック)

b、c

 

読者からの質問

分からないポイントは、bの肺癌についてです。問題集の解答では、bの肺癌を3ヶ月前のX線写真が正常なので除外するというシンプルな解説しかありませんが、むしろ3ヶ月前には映らなかった、あるいは存在しなかったが、その後急速に増大した悪性腫瘍を疑えば、bの肺癌でもアリではないかと思います。

喫煙歴はないとありますので、その点は試験のテクニック的に肺癌を除外すべきというサインかもしれないという気はしますが・・・。bの肺癌はやはり原因として考えられないでしょうか。

 

1か月で癌や結核になる可能性は低い

この患者は3か月前の胸部レントゲンで異常がなく、2か月前から症状が出現したということは、1か月の間に病気が起こったということになります。もちろん、完全に否定することはできませんが、「1か月で結核や肺癌になった」という可能性は低いのではないでしょうか。

仮にレントゲンの所見がなくても、喘息、副鼻腔炎、逆流性食道炎は頻度が高い病気ですのでこれらの方が可能性は高いでしょう。

「喫煙歴」はあろうがなかろうがあまり関係ないと思います。

慢性咳嗽の原因

8週間以上続く咳嗽を慢性咳嗽と言いますが、原因で多いのは以下のものです。

  • 咳喘息
  • 慢性副鼻腔炎
  • 逆流性食道炎
  • 感冒後咳嗽

研修医になってからも必要となる知識ですので覚えておくとよいでしょう。