コウメイ(@kokusigokaku):読者の方から骨について質問をいただきました。
骨年齢、成長障害、骨密度はそれぞれ関連性があるのでしょうか。例えば成長ホルモン分泌低下では骨年齢遅延、成長障害、骨密度低下があります。
Turner症候群、Down症候群、Bartter症候群でも骨に異常がでますが、骨年齢、成長、骨密度がどうなるかは覚えるしかないのでしょうか。それとも何かしら関連性があるのでしょうか。
結論から言うと、ある程度関連はありますが、完全に対応しているわけではありません。
関連性を考えるよりは骨年齢、成長障害、骨密度とはそもそもどのようなものであるのか、また何によって調節されているのか、なんのために検査するのかを考えた方がタメになります。今回はそのような点から説明していきたいと思います。
骨年齢
骨年齢とは簡単に言うと化骨の数のことです。化骨の数が年齢相応か確認します。
よくテレビとかで「あなたの骨年齢は?」とかやっていますが、あれとは違います。テレビでやっているのは正確に言うと、骨密度のことです。骨密度が年齢相応か測っているのです。
この骨年齢ですが、何のためにあるかと言うと病気を鑑別するためです。特に成長ホルモンや甲状腺ホルモンの分泌が悪いと骨年齢が低下(つまり化骨の数が少ない)することが分かっています。
病名で言うと、成長ホルモン分泌不全性低身長症やクレチン症です。低身長の子供がいたとき、なぜ低身長になっているか原因を突き止める必要があります。
もちろん、血液検査も有用ですが、それだけではひとつに絞り込むこは難しいです。そんなとき骨年齢が役に立ちます。化骨の形成が遅れているときは成長ホルモン分泌不全性低身長症やクレチン症ではないかと考えることができます。
骨の成長障害
成長障害とは長軸方向の成長の障害です。成長障害があると身長が伸びません。逆に身長が低いと成長障害があることを意味します。ですので、「成長障害がある病気は何か?」と覚えるよりも低身長を来す病気は何かを考えるのがいいです。
成長ホルモンや甲状腺ホルモンの低下があれば当然低身長になりますが、それ以外にも低身長になる原因は色々あるので、少しずつ覚えていくのがいいかと思います。
骨密度
骨密度を規定する因子として、成長ホルモンや甲状腺ホルモン、それに性ホルモンなどがあります。これらが少なくなると骨密度が低下します。主に、成長ホルモンや甲状腺ホルモンが関与するので骨年齢の異常とある程度は一致します。
以上で説明は終わりですが、冒頭でお話したように、骨年齢、成長障害、骨密度の関連性を考えるのではなく、それぞれがなぜ障害されるのかを考えたほうがいいです。