安定狭心症と不安定狭心症との見分け方

最終確認日:2017/07/28 最終更新日:2017/07/28

コウメイ:安定狭心症と不安定狭心症との見分け方について質問をいただきました。まずは質問の元になった問題を見てみましょう。

第95回医師国家試験D20

55歳の男性。胸痛を主訴に来院した。1年まえから階段や坂道で胸部圧迫感あった。その後、前胸部痛が出現し、最近平地を少し歩いただけでも症状が出るようになった。安静により症状はすぐに軽快する。 心電図と左冠動脈造影写真を次に示す。

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この患者で正しいのはどれか。

  1. 安定型狭心症である
  2. 高度の冠動脈硬化性病変を有する
  3. 陳旧性下壁硬塞が存在する
  4. 貫壁性前壁硬塞が存在する
  5. β受容体遮断薬の適応はない 

正解:b、c

 

この問題に対し以下のような疑問を持ったようです。

読者からの質問

aは問題文だけから「不安定型」と判断していいのでしょうか?安定型狭心症のECGはあまり教科書にないので、明確に両者を区別出来ません。この問題はきちんとECGが読めるか試している問題なのでしょうか? 

 

安定狭心症とは

安定狭心症とは「決まった動作」「同程度の症状」「1か月以上」続く状態です。

例えば、「ここ1年は毎朝駅の階段を昇ると軽い胸痛が5分続く」といった感じです。最近になって、歩いただけで胸痛がでたり、胸痛が10分以上続くようになったら、不安定狭心症となります。

本症例は以前は階段や坂道でのみ症状が起きたのに、最近は平地でも症状が起こるようです。というわけで、不安定狭心症となります。

 

心電図ではなく症状で判断

以上から分かるように、安定狭心症か不安定狭心症かは心電図で判断するものではありません。症状で判断します。

ちなみに、狭心症はST低下が有名ですが、この変化は症状があるときのみ見られます。今回の心電図で見られるのは異常Q波でおそらく過去の心筋梗塞です。aVRは基本的に参考にしません。

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以上で安定狭心症と不安定狭心症との見分け方の解説は終わりです。