※特定の個人に向けて記載してはおりません。
1)Student Opinionのエビレンスレベルは?
コウメイ:皆さん、エビデンスレベルはご存知でしょうか?一番上がMeta AnalysesでRCTが続きます。
さてここに「Student Opinion」は載っているでしょうか?Expert Opinionですら一番下なのでStudent Opinionが載っているはずがありません。当然、Student Opinionで治療を行うことはありません。
学内の試験や医師国家試験でもStudent Opinionが正解になることはありません。だから皆さん教科書をしっかり覚えて試験に挑みますよね。
何を当たり前のこと言ってるんですか?
と思われるかもしれません。しかし、なぜか臨床実習になるとこの当たり前のことができない方が多いです。
2)それ教科書に書いてあった?
実習中に学生に質問すると以下のような(良くない)回答が返ってくることが稀ではありません。
コウメイ: この患者さん肺炎で抗生剤治療しているけどいつまで抗生剤使用する?
学生:炎症反応とレントゲンが正常になるまでです。
コウメイ:それ何かに書いてあったの?
学生:いや・・・。
コウメイ: この患者さんNa 128 mEq/Lだけどどうしよっか?
学生:3%食塩水の投与です。
コウメイ:それ何かに書いてあったの?仮にするとして投与量は?いつまでやるの?
学生:どこかに書いてあったような・・・。
コウメイ: この患者さん脱水があって輸液が必要だけど何を輸液しよっか?
学生:開始液です。
コウメイ:なんで?そもそも開始液って何?
学生:開始液だから・・。
皆さんの中にも臨床実習中はこのような根拠のない、個人的な意見を言ってしまっている方がいるのではないでしょうか?
3)教科書を元に治療方針を考えよう
医師は個人的な考えではなく、教科書や専門書、ガイドライン、論文を元に治療を行っています。臨床実習は医師になる前段階の貴重な練習の時期です。各科の専門書を読むのは難しいと思いますが、少なくとも教科書に記載のある内容を元に治療方針を考えるようにしましょう。
もちろん、教科書やガイドラインが絶対的に正しいわけではありません。教科書やガイドラインを読み込み、患者をたくさん見た上で「この記載は違うんじゃないか?」と考えるのはありです。しかしそれと、教科書やガイドラインを全く読んでいない学生が個人的な意見を述べることとは全く異なります。
将来のために、教科書をしっかり読み治療方針を考える習慣を今のうちから身につけることをお勧めします。