【第112回医師国家試験】コウメイの自己採点・・・3個間違い

コウメイ:第112回医師国家試験の解答が発表されましたので自己採点してみました。

結果は3個間違いでした。

「なんだ、3個も間違ってんのかw」とお思いの方。その通りです。3個も間違えてしまいました。不覚です。

ただ、若干言い訳をさせていただくと、問題は仕事が終わってから(18時〜24時)、2日間でかつ完全に一人で解きました。その状況を考えると、まぁ悪くはないでしょう。

どのような環境で問題を解いたかという話を聞いても読者のためにならないので、私が間違えた問題をご紹介し、もう二度と間違えないよう勉強していきたいと思います。

目次

1)112A58

医師国家試験112A58

56歳の男性。4か月前から物忘れが目立ち始め、2か月前から怒りっぽくなったため心配した家人に連れられて受診した。意識は清明。身長172cm、体重56kg。体温 36.2℃。脈拍 68/分、整。Mini-Mental State Examination〈MMSE〉は13点(30点満点)で、検査中に数回にわたって「もうやめろ」という発言があった。瞳孔径は両側1mmで対光反射は消失、輻湊反射は保たれており、Argyll Robertson瞳孔を呈している。その他の脳神経に異常を認めない。筋力低下はない。腱反射は四肢で亢進し、Babinski徴候は両側陽性。感覚系と小脳系とに異常を認めない。髄膜刺激症候は陰性。血液所見と血液生化学所見とに異常を認めない。脳脊髄液所見:初圧270mmH2O(基準70〜170)、細胞数58/mm3(基準0〜2)(単核球100%)、蛋白210mg/dL(基準15〜45)、糖72mg/dL(同時血糖118mg/dL)。

脳脊髄液の検査項目で追加すべきなのはどれか。

a タウ蛋白
b TPHA反応
c β-D-グルカン
d JCウイルス抗体
e オリゴクローナルバンド

コウメイの考え

髄液検査からは髄膜炎の可能性があるな。ただ、経過が長いから細菌性やウイルス性は非定期的。Argyll Robertosom瞳孔があるので、梅毒か?だとするとTPHA反応だけど、TPHA反応は血液検査ではやるけど、髄液検査でもやるのか?Argyll Robertosom瞳孔だけを考えると多発性硬化症も鑑別にあがるな。病歴からは考えにくいがeのオリゴクローナルバンドを検査し陰性を確認しろということか?いや、わざわざそんなことする必要あるか?ん〜、悩ましい。髄液検査にTPHA反応がそもそもなかったら意味がないので、実際に行うことのあるオリゴクローナルバンドを選択しよう→不正解。

この問題から学ぶこと

この問題から学ぶことは、TPHA反応は髄液検査でも行うことがあるということです。一般病院でそう行う検査ではないので、機会があればぜひ見ておきましょう。調べたら、症例報告がありました。

https://www.neurology-jp.org/Journal/public_pdf/054090738.pdf

2)112F50

医師国家試験112F50

66歳の女性。後頸部痛の増強と左上肢のしびれとを主訴に来院した。進行肺腺癌に対して外来で抗癌化学療法を施行している。以前から頸胸椎転移による後頸部痛があり、抗癌化学療法と併行してアセトアミノフェンとオキシコドンによる疼痛治療を受けていた。良好な疼痛緩和が得られていたが、2週間前に後頸部痛の増強と新たに左上肢のしびれが出現し、睡眠も妨げられるようになったため受診した。第一胸椎レベルの軟部条件の胸部CTを別に示す。

医師国家試験112GF50_画像_骨転移のCT

対応として適切でないのはどれか。

a 放射線療法
b 椎弓切除術
c オキシコドンの増量
d リン酸コデインの追加
e オピオイドローテーション

コウメイの考え

a、c、eは絶対に正解だろう。椎弓切除かぁ、進行性肺癌で手術できる体力あるのかな?リン酸コデインの追加か?強オピオイド(オキシコドン)を既に使っているのに、弱オピオイドであるリン酸コデインを新たに始める意味あるのかなぁ?別の機序で効果がでるのか?悩ましいけどb!!→不正解。

この問題から学ぶこと

進行性癌でも手術を行うことがある。強オピオイドと弱オピオイドの併用は基本的にしない。

3)112F57

医師国家試験112F57

出生直後の新生児。在胎38週3日で常位胎盤早期剥離と診断され、緊急帝王切開で出生した。Apgarスコアは0点(1分)であり、直ちに蘇生を開始した。

Apgarスコアの項目で最初に1点以上になるのはどれか。

a 呼吸
b 心拍
c 皮膚色
d 筋緊張
e 刺激に対する反応

コウメイの考え

そんなの状況によるだろう。蘇生が上手くいかなければどれも0点だし上手くいけばどれも2点だろう。その間を考えると、呼吸か心拍か。いや、人工呼吸をして胸骨圧迫をした場合、皮膚色もよくなるよな。Apgarスコアをとるために、一時的に人工呼吸と胸骨を止めた場合、呼吸と心拍が再開していなければ皮膚色だけよいことになるな。正解選べなくないか?それは考えすぎか。一般的には呼吸か心拍だろう。どっちが早くよくなるんだろう。中々、新生児の蘇生をすることはないし、分からないなぁ。呼吸か?→不正解。

この問題から学ぶこと

蘇生が上手くいった場合、心拍からよくなる。よく考えれば大人もそうです。CPAで搬送され、バッグバルブマスクと胸骨圧迫を行い、心拍が再開しても呼吸はしていないことがしばしばあります。

以上、コウメイが間違えた問題です。

4)予備校全体としての能力≠講師の能力

中には正解率100%の解答速報もあるようです。素晴らしいですね。ただ、ここで考えていただきたいのはどれだけ時間をかけて、どれだけの人数で作成したかということです。そこそこ時間をかけ、微妙な問題はそれぞれの専門医に確認すれば正解率100%になるでしょう(正解率100%の解答速報も国試直後は正解率100%ではないはず)。

よって、予備校全体としての能力とその予備校に在籍する講師の能力が一致するかは微妙です。最悪、医師が一人もいなくても全て専門医に解答作成を外注すれば正解率100%近い解答速報を作ることができます。それはないにしても、優秀な講師が1人か2人いて、後はそれほどというのが現実的かと思われます(これはどの予備校にも当てはまることですので、特定の予備校の話ではありません)。特に個別指導を受ける際は予備校全体としての能力≠講師の能力を意識するのは非常に重要ですので、よく考えて選ぶようにしましょう。個別指導のお話はまた後日したいと思います。

以上、コウメイは3個間違えてしまったということと、予備校を選ぶ際のポイントについてのお話でした。

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