くる病と骨軟化症との違い【103G56】【98D52】

コウメイ(@kokusigokaku):今回はくる病について解説していきます。まずは問題を2問見てみましょう。

第103回医師国家試験G56

3歳9か月の男児。下肢の変形を主訴に来院した。母親の妊娠・出産歴に特記すべきことはない。家族歴に低身長や骨変形はない。生後3か月からアトピー性皮膚炎があり、生後12か月から友人の勧めで、乳製品、卵、大豆および魚を摂取させていない。2歳半ころから下肢の変形と歩行の異常とに気づいていた。身長87cm、体重13.4kg。

くる病のレントゲン

血清で高値が予想されるのはどれか。2つ選べ。

  1. ALP
  2. 25-(OH)D3
  3. 副甲状腺ホルモン
  4. クレアチンキナーゼ<CK>
答え(クリック)

b, d

 

第98回医師国家試験D52

2歳6か月の女児。歩行障害と下肢の変形とを主訴に受診した。母親の妊娠・出産歴に特記すべきことはない。7か月までは母乳で育てられ順調に成長していた。母親は患児を祖父に預けて農作業をしていた。

祖父は病弱でほとんど外出することがなく、家の中で生活していた。患児は1歳ころから肘をついて這っていた。1歳6か月ころから背部が突出する変形がみられ、さらに下肢の変形を伴い、歩行できないため受診した。

くる病の写真 くる病のレントゲン

この疾患の血清で低値が予想されるのはどれか。2つ選べ。

  1. 25-(OH)D3
  2. クレアチニン
  3. 副甲状腺ホルモン
  4. アルカリホスファターゼ
答え(クリック)

a, b

 

骨の原料:Ⅰ型コラーゲン、Ca、P

くる病について説明する前に骨の原料について説明します。骨はⅠ型コラーゲンが骨格で、そこにCa、Pが結合したものです。

骨の原料であるCaとPはビタミンDにより吸収がupします。具体的には

  • 腸管でCaとPの吸収をupさせます。
  • 腎でCaの再吸収をupさせます。

つまり、骨の形成にはCa、P、ビタミンDの3つが必要となります。このどらかが不足すると病気になります。

くる病は子供、骨軟化症は大人

くる病と骨軟化症との違いですが、簡単に言うと小児がくる病、大人が骨軟化症です。小児の時にCa、Pが足りないと骨が長軸方向に成長できません。その結果、低身長、O脚となります(くる病)。

大人になってからCa、Pが足りないと骨の強さがなくなるため負荷を加えると痛みを訴えたりします(骨軟化症)。

問題の解説

 以上を踏まえた上で問題の解説をしていきます。

【103G56】
この患者はアトピーがあり食事制限をされています。食事制限をするとビタミンDの摂取が減ります。その結果、CaとPの吸収が減りくる病になったと考えられます。

骨ではこの事態を打破しようと骨芽細胞が活発になります。骨芽細胞にはALPが多く存在するため血中ALPは増加します。Caが少ないとCaを上げるホルモンである副甲状腺ホルモン(PTH)が上がります。よって答えはb、dです。

【98D52】
今までは詳しくは説明しませんでしたが、ビタミンDは日光に当たるとビタミンD3になります。体内ではビタミンD3でないと効果を発揮できません。この患者は家の中で生活をすることが多くビタミンDがビタミンD3になっていないと考えられます。その結果、Ca、Pの吸収が減り、くる病になったと考えられます。正解はa、bです。

以上でくる病と骨軟化症についての説明は終わりですが、自分で勉強したのと比べいかがだったでしょうか。このような感じで勉強出来た方はそのまま続けてください。丸暗記をしていた方は今後、きちんとした勉強ができるよう一緒に頑張っていきましょう。