医師国家試験97C15

医師国家試験97C15

68歳の男性。腹部の膨満、腹痛、嘔吐および衰弱を主訴に家族に伴われて来院した。
現病歴:3日前から左下腹部を中心とする強い腹痛と嘔吐とを繰り返し、次第に腹部の膨隆が目立つようになってきた。この間、排ガスと排便とはみられず、排尿も2日前からは少量ずつ2、3回あったのみであった、また少量の水分を摂取したのみで経口摂取はほとんどしていなかった。
既往歴:5年前から170/90mmHg程度の高血圧症を指摘されていたが、症状がないため放置していた。手術歴はない。
現症:意識は清明であるが受け答えは緩慢である。身長169cm、体重56kg。体温36.8℃。臥位で脈拍108/分、整。血圧114/78mmHg。腹部は膨隆し、左下腹部を中心として金属性腸雑音を聴取する。打診では腹部全体にわたって鼓音を呈する。肝・脾を触知せず、圧痛や抵抗を認めない。
検査所見:尿所見:蛋白(-),糖(-)。血液所見:赤血球360万、Hb 10.8g/dL、Ht 34%、白血球12,000、血小板25万。血清生化学所見:総蛋白6.0g/dL、尿素窒素38mg/dL、クレアチニン1.3mg/dL、AST 33単位、ALT 32単位、CK 35単位(基準10~40)、Na 128mEq/L、K 3.6mEq/L、Cl 83mEq/L、来院時の腹部X線単純写真を示す。

医師国家試験97C13_画像_腸閉塞のレントゲン

全身状態が改善した後に、大腸内視鏡検査を行った。肛門縁から30cm付近の内視鏡写真を示す。腹部CTで肝腫瘤とリンパ節腫大とを認めず、胸部X線写真でも特に異常を認めなかった。

医師国家試験97C15_画像_結腸癌の下部内視鏡写真

治療法として適切なのはどれか。

a 全身化学療法
b 放射線療法
c 下腸間膜動脈塞栓術
d 腹腔鏡下狭窄部バイパス術
e S状結腸切除術