「これだけ心電図」のレビュー【鶴岡市立荘内病院研修医】

コウメイ:本ブログの読者の方に「これだけ心電図」をレビューしていただきました。買おうか迷っている方はぜひ参考にしてみてください。
プレゼント企画が元になっております。簡単に言えば献本させていただきレビューをお願いしました。正直に感想を教えていただくようお伝えしましたが、このような状況で本書を酷評する方はいないと思いますので、そこは差し引いてご覧ください。
※レビューふまえ、最後にタメになることを書きます。

1)まずは率直な感想を教えてください。
心電図を読むために必要な知識を、こんなに簡潔で十分な内容で解説した本はまずないと思いました。

2)今までに心電図はどのように勉強しましたか?
波形の成り立ちを細かく説明するような難しい本は避けて、読みやすい簡単な本を選んでいたつもりですが、どうしても理解できない箇所の説明がされていなくて挫折していました。

3)読むのにかかった時間を教えてください。
4日(3h+3h+3h+2h)程で読めました。この時間でこの内容はすごいと思います。

4)一番お勧めのページがあれば教えてください。
第6章、虚血性心疾患の説明すべてが他の本にはない重要な説明がされていておススメです。この章が多くの心電図アレルギーの悩みを解決してくれると思います。私は、序盤に書かれているQRS波のバリエーションすら今まで知らず挫折していました…。

6)読む前と読んだ後で心電図の印象に変化があれば教えてください。
心電図にものすごく苦手意識をもっていて、見ても何がなんだがわかりませんでしたが、今は心電図をみたら、何がどうなっているのか理解できるのではないかと思えるような自信がつきました。

7)本書以外に心電図の本は持っていますか?また、その本を最後まで通読できたかも教えてください。
※名前は伏せます。
○○○
インターネットで無料でダウンロードできるものですが、先生の本を読むまでに見たことのある数冊の心電図の本の中ではベストだと思っていました。しかし、QRSのバリエーションの話がそもそもわからず途中で放置していました。

8)本書を読む適切な時期はいつだと思いますか?
循環器内科の実習前や国家試験勉強時期に知っておけば、心電図が載っている問題はすらすら解けると思います。研修医は1年目からでも絶対に必須だと思いました。救急をやる前に読んでおけばものすごい力を発揮すると思います。

9)その他、何でも構いませんので感想をお願いします。
p100まではこれまでの勉強でもある程度理解していました。ただ第6章開始となるp101以降~8章最後までは、今までまったく知らない知識ばかりで、自分があきらめていた知識のすべてが詰まっているように感じました。この本を読んで、早速今日から患者さんの心電図に目を配れるようになりました。ありがとうございました。

 

コウメイ:本によっては心筋梗塞でSTが上昇する機序を書いてあるものもありますが、心電図初学者にとってはあまり有益ではありません。それより、QRS波の名前の付け方、バリエーション、J点、ミラーイメージ、経時的な心電図の変化について学ぶのがよいです。

無料でダウンロードできる書籍もあるのですね。無料で公開していることは一定の評価はできますが、学びやすいように徹底して考えられてはいないようです(そのためURLは公開しません)。
※無料は必ずしもよいものではありません。人は無料だとありがたみを感じないので書籍であれば最後まできちんと読むことはないでしょう。学校で配布されたプリントがよい例です。

一番始めに「心臓には心房と心室があり,心房中隔により右心房と左心房に,心室中隔により右心室と左心室に分かれています」との記載があります。この内容は誰でも知っていることでありわざわざ書く必要はありません。一方、数ページ後に脚ブロックやWPW症候群という言葉が出てきます。言葉は出てきますが、きちんと説明はされていません(きちんと説明されていないということはわざわざそのページに記載する必要はないのです)。人によってはここで挫折するでしょう。

このように、何かを学ぶ際に、必要でない難しい言葉が登場すると挫折する可能性が高いです。本書ではそのようなことが無いように、単語(疾病)一つ一つをどこで登場させるかを徹底して考えました。

「心電図の本だからとりあえず心臓の解剖を説明して、膜電位について説明して、電極の付け方を説明して、あっ、ちょっと面白そうだから変行伝導も説明しようか・・」というステレオタイプで心電図初学者にメリットのない記載は一切していません。

基本的に重要なことから説明してあります。そのため、レビューにもありますが初めの方は初学者でもある程度は理解している内容になります。後半は前半よりはやや難しくなりますが、それでも重要な項目のみを説明しています。本書は「通読できる」ことも徹底して考えて作成しましたので後半部分もつまずくことなく読め、最後まで読み切ることが可能です。その結果、系統的な知識を身につけることができます。

本書を読み切った後は基礎的な力は十分についているはずですので、今までに挫折した難しい本も読むことができるようになります(無理に読む必要はありませんが)。

お忙しい中、本当にありがとうございました。読者の皆様もぜひ「これだけ心電図」で勉強していただければ幸いです。

 

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※いずれも送料無料です。定価は4,000円(税別)です。