コウメイ:『これだけ心電図』を当院の初期研修医2年目の(個人的に優秀と思っている)Y先生に読んでいただき、レビューしてもらいました。買おうか迷っている方はぜひ参考にしてみてください。
※忌憚(きたん)のない意見をお願いしましたが、忌憚はあると思いますのでそこは差し引いてください。
※レビューふまえ、最後にタメになることを書きます。
1)初期研修医 Y先生からのレビュー
1)まずは率直な感想を教えてください。
率直に非常に読みやすかったです。心電図自体のことだけでなく、効率のよい勉強法や「ここは重要だから覚える」「ここは重要でないから記載しない」というメリハリが良かった。サラッと読めたけどすぐに役立ちそうな気がします。
2)今までに心電図はどのように勉強しましたか?
大学の授業で使用した資料を主に使っていたのでしっかりした参考書などは使用していませんでした。気になったりつまづいたらその都度ネットで検索していました。
3)読むのにかかった時間を教えてください。
約2日間(おそらく10時間程度)
4)一番お勧めのページがあれば教えてください。
房室ブロックのページはこれまであいまいな理解で止まっていた自分にとって非常にわかりやすく解説していただけた。あとは、AMIの経時的な心電図変化をまとめたページも理解が深まりました。
5)読む前と読んだ後で心電図の印象に変化があれば教えてください。
- ST変化はなんとなくではなくしっかりJ点を探す
- 徐脈を見たらその原因をつきつめたい気持ちになった
- AMIで梗塞部位を心電図で予測した上で心エコーをしたい
6)本書以外に心電図の本は持っていますか?また、その本を最後まで通読できたかも教えてください。
※名前は伏せます。
○○○です。印象としては1ページあたりの情報量が多く、文字も小さめ。自分のような初学者には少し早かったと思います。初めの数ページ読んで終わってしまいました。
8)本書を読む適切な時期はいつだと思いますか?
研修医1年目.
9)その他、何でも構いませんので感想をお願いします。
「医者や医学生は途中から読むということに抵抗を感じ、初めから読んでいかなきゃ気が済まない」というような考えに心から共感しました。自分自身もそうです。なので、重要で緊急性の高い異常から順に記載してある点が非常に嬉しく効率的でした。
また、正常値を覚える必要はないという言葉が多くの人が救われると思います。本当に私が求める効率のよい勉強にピッタリ合致する参考書でした。
2)最後にコウメイから一言
コウメイ:まず、「サラッと読める」というのは重要なことです。中には内容が薄いと思われる方もいらっしゃるでしょう。しかし、読みやすさと内容の濃さは相反しないと考えます。特に最近は内容が良く、読みやすい本が増えています。仮に内容が濃くても読まれなければ意味がありません。「サラッと読める」「最後まで通読できる」というのは参考書を選ぶ際に非常に重要なポイントです。
最近はネットが普及し以前より調べ物が楽になりました。しかし、医学の系統だった学習はネットでは無理です。きちんと書籍で勉強した上でネットを利用するのがよいです。
他の研修医の先生や医大生に「ST上昇ってどこ?」と聞くとほとんどの方が「この辺」とあいまいに答えます。J点で判断するようにしましょう。逆に正常値を気にしすぎている気がします。正常値は本当に必要なときに書籍やスマホで確認すればよいです。
お忙しい中、本当にありがとうございました。読者の皆様もぜひ『これだけ心電図』で勉強していただければ幸いです。
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