VIPomaの症状は丸暗記?

最終確認日:2017/07/28 最終更新日:2017/07/28

コウメイ:今回はVIPomaを例に「きちんとした勉強」について解説をしていきます。

 

VIPomaとは?

コウメイ:VIPomaとはVIPを産生する腫瘍のことです。VIPとは本来は小腸から分泌されるホルモンですが、VIPomaは膵にできることが多いです。つまり、VIPomaは膵内分泌腫瘍の一つとなります。

このVIPというホルモンが出るとどのような症状が起こるのでしょうか?教科書を見るとよくWDHAと書いてあります。

  • WDはwater diarrheaで水様性下痢
  • Hはhypokalemiaで低K血症
  • Aはachlorhydriaで無酸症

以上の3つの症状が有名です。

これらは大事だからとりあえず覚える!!というのはよい勉強ではありません。

症状や所見を丸暗記するのはつまらないし、苦痛だし、すぐ忘れてしまいます。よい勉強の仕方とは言えません。丸暗記ではなく本質を理解するようにしましょう。

 

VIPの本質 | 腸を守る

VIPの本質は腸を守るです。覚えるのはこれだけです。ここからどのような症状が起こるか考えていきましょう。

例えば、腸にばい菌が侵入したとします。腸を守るためにどのようなことをすればよいでしょうか?まずは、腸からの吸収をストップします。だって、ばい菌が腸に入ったら大変ですからね。

さらに、よりばい菌の侵入を防ぐために腸から水を分泌します。そして便として体の外へ排泄します。当然ですがこの便は水分量が多く水溶性下痢となります。

腸液はKを多く含んでいるので、便中のKは多くなっています。その結果、血中のKは少なくなります。つまり、低K血症です。

 

胃への作用は?

今までは「腸を守る」ために腸でどのようなことが起こるか考えてきましたが、もうひとつ大事な臓器があります。それはです。胃がどのようになったら「腸を守る」ことになるでしょうか?

結論から言うと、「胃酸の分泌を抑える」ことが腸を守ることになります。だって胃酸がどんどん出たら腸が溶けちゃいますからね。それを防ぐために胃酸の分泌は抑制され無酸症となります。

※「腸を守る」ために胃酸の分泌を増やし、ばい菌を殺すという案も考えられます。それだとばい菌も死にますが、腸も死ぬのでメリットよりデメリットのほうが大きいです。ですので、胃酸の分泌は止めたほうがいいですね。

 

以上の症状をまとめたのが

  • 水様性下痢
  • 低K血症
  • 無酸症

となりますが、これは丸暗記するものではなく、上記のように自分で考えるものなのです。丸暗記ではなく、本質を意識した勉強が大切です。

本質を理解すると分かりやすく、楽しく、覚える量が少なく、忘れにくいのでメリットだらけです。今後も病態を意識した、丸暗記ではなく自分で考える勉強を行っていきましょう。今回は以上で終わりです。お疲れ様でした(^_^)