食塩水とブドウ糖液との使い分け2

最終確認日:2017/07/28 最終更新日:2017/07/28 

コウメイ:「食塩水とブドウ糖液との使い分け」の続きです。

まずは簡単に食塩水とブドウ糖液の使い分けについての復習をしましょう。

【食塩水】

  • ナトリウムを増やす
  • 血管内ボリュームを増やす

 

【5%ブドウ糖液】

  • ナトリウムを薄める
  • 血管内ボリュームをあまり増やさない

 

これをもとに、実際の病気でどちらを使えばよいか考えてみます。

 

食塩水と5%ブドウ糖液との使い分け

尿崩症

尿崩症とは薄い尿がたくさん出る病気です。血液はナトリウム濃度が濃くなっています。5%ブドウ糖液で薄めてあげましょう。

低張性脱水

低張性とは血液が薄い、つまりナトリウム濃度が低いということです。ナトリウムを増やすために食塩水を使いましょう。

等張性脱水

等張性とはナトリウム濃度が正常ということです。しかし、脱水であるのでナトリウムの絶対量は少ないのです。ナトリウムを増やすために食塩水を使いましょう。

急性副腎不全

急性副腎不全はアルドステロンが分泌されなくなるため、血液ではナトリウムが不足します。食塩水で補いましょう。

SIADH

SIADHはADHが増える結果、水の再吸収が増加する病気です。水の再吸収が増加すると、血液は薄く、つまりナトリウム濃度は低くなります。ナトリウム濃度は低くなっていますが、絶対量が減っているわけではありません。

大事なのでもう一度言います。ナトリウム濃度は低くなっていますが、絶対量は減っていません。脱水状態でもありません。というわけで、補液は入りません。食塩水もブドウ糖液も入りません。むしろ、水制限を行います。

以上で食塩水と5%ブドウ糖液との使い分けの解説は終わりです。特に、研修医になってから使う知識ですので、今のうち理解しておきましょう。