単腎患者の腎結石に大量輸液がダメな2つの理由

最終確認日:2017/07/29 最終更新日:2017/07/29

コウメイ:読者の方より、「単腎患者ではなぜ大量輸液はダメなのでしょうか?」との質問をいただいたので回答します。まずは質問の元になった模試を見てみましょう。

某模試の問題と解説

尿管結石による水腎症があり、激痛、尿量減少、浮腫をきたしている症例でまず行うべき治療はどれか?3年前、腎癌で摘出手術を受け単腎である。

  1. 大量輸液
  2. 血液透析
  3. 腎瘻造設
  4. インターフェロン投与
  5. 腎摘出

解答:c

解説:大量輸液は単腎者の尿管結石への治療としては禁忌

 

この問題に対し以下のような疑問を持ったようです。

読者からの質問

質問者:どうして単腎者への大量輸液が禁忌なのでしょうか?大量輸液を行ってダメだったら腎瘻で良いのではないかと思いました。

 

解説ではない・・

「大量輸液は単腎者の尿管結石への治療としては禁忌」これは解説とは言いません。ただの事実です。 本ブログではきちんとした解説を行っていきますね。

 

水腎症の悪化

大量輸液がなぜいけないかというと・・

 

学生B:結石が動かなかった場合水腎症が悪化するからです(完璧な答えだな!!)。

 

コウメイ:確かにそうですね、理由のひとつです。腎臓が2つあれば、正常な方から尿が排泄され、水腎症が悪化する可能性は低いです。後は?

 

学生B:えっ、他に理由があるんですか?あ、あ、あたまが悪くなるんじゃ・・

 

肺水腫

コウメイ:違います。が悪くなります。

 

学生B:腎臓が悪くなるのに肺が悪くなるのですか?

 

コウメイ:そうです、肺です。水腎症になっているということは腎臓内に尿がパンパンにつまっているということです。腎臓がパンパンで圧力が高いと血管からボウマン嚢へ血液をろ過することができません。もし、この状態で輸液をしたら血液の量はどんどん増えてしまいます。

通常約5Lの血液が6L、7L、8L・・となってしまします。その結果どうなるのか?血液は血管にとどまることができず、周りへ漏れでてしまいます。 この方は浮腫があるようですね。もうすでに間質(血管外)へ漏れていますね。

 

学生B:別に少しぐらい浮腫があったっていいじゃないですか?

 

コウメイ:まぁ、浮腫だけだったらいいのですが、血液が間質ではなく、肺胞に漏れる可能性があります。つまり、肺水腫です。

肺水腫

 

肺水腫は致死的ですので絶対に避けたいです。以上の理由から大量輸液はやらないほうがいいかと思います。水腎症が悪化するだけだと思っていた方、勉強になりましたか?今回は以上で終わりです。お疲れ様でした(^_^)