単腎患者の腎結石に大量輸液をしてもいいのか? 〜肺水腫の危険性〜

コウメイ(@kokusigokaku):読者の方から模試の問題について質問をいただいたので回答します。

某模試の問題と解説

尿管結石による水腎症があり、激痛、尿量減少、浮腫をきたしている症例でまず行うべき治療はどれか?3年前、腎癌で摘出手術を受け単腎である。

  1. 大量輸液
  2. 血液透析
  3. 腎瘻造設
  4. インターフェロン投与
  5. 腎摘出

解答:c

解説:大量輸液は単腎者の尿管結石への治療としては禁忌

 

読者からの質問

どうして単腎者への大量輸液が禁忌なのでしょうか?大量輸液を行ってダメだったら腎瘻で良いのではないかと思いました。

 

きちんとした解説とは?

解説を行う前に大事なポイントがあります。某模試の解説に

「大量輸液は単腎者の尿管結石への治療としては禁忌」

と書いてあったようですが、これは解説ではありません。解答がcと読んだ時点で大量輸液を行ってはいけないことが分かります。その後、敢えて「大量輸液は単腎者の尿管結石への治療としては禁忌」と記載するメリットはありません。

「なぜ、単腎者が尿管結石になったときに大量輸液をしてはいけないか?」の理由をきちんと述べるのが解説です。

水腎症の悪化 → 肺水腫

大量輸液がなぜいけないかというと水腎症が悪化するからですが、水腎症の悪化自体はそれほど心配することではありません。

水腎症が悪化するということは、体から水分を排出できないことを意味します。そんな状態で大量の補液を行った場合、補液はどこに分布するのでしょうか?

点滴をするので当然まずは血管内に分布しますが、血管内の容量には限界があるのでそのうちに血管外に漏れ出ます。実際にこの患者は浮腫がありもう漏れ出ていると考えられます。

脚が浮腫むくらいだったらまだいいのですが、脚の血管から水分が漏れているということは他の臓器の血管からも漏れている可能性があります。特に肺で水分が漏れるのを肺水腫と言いますが、肺水腫になると呼吸することができません。悪化すると命に関わります。

肺水腫

 

大量補液をすると肺水腫になる可能性が高いのでやってはいけないのです。以上で解説は終わりです。