肺血栓塞栓症で梗塞(壊死)は起こるのか?

コウメイ(@kokusigokaku):読者の方から肺血栓塞栓症について質問をいただきました。

読者からの質問

問題集の解説で「肺動脈の閉塞で肺実質が凝固壊死巣を形成した時に肺梗塞という」と書いてありました。 しかし、ネット講座では「肺の栄養血管は気管支動脈であって、肺動脈は機能血管だから肺塞栓では肺梗塞は起こらない」と説明していました。 どちらが正しいのでしょうか?

 

肺血栓塞栓症の10%が肺梗塞になる

結論から言うと、肺梗塞は起こります肺血栓塞栓症の10%が肺梗塞になると言われています。

基本的には気管支動脈が肺の栄養血管であるので壊死にはならないと考えられますが、なぜ梗塞が起こるかについて書いてある文献は見つけることができませんでした。 ただし梗塞が起こるのは事実です。実際の写真を見てみましょう。

肺血栓塞栓症

これを見て、「いや、肺動脈は栄養動脈でないので梗塞(壊死)が起こるはずがない!!」と、事実を認めないのはダメです。何らかの理論が間違っているハズであり、それを明らかにしていくのが我々の使命です。

以下はあくまで私見ですが、閉塞した肺動脈からなんらかのサイトカインが分泌され、気管支動脈を閉塞させているとか、肺静脈が栄養血管として働いていて、肺動脈が閉塞すると肺静脈への血流がなくなるので、今まで肺静脈で栄養されていた部位が壊死してしまうことなどが考えられます。

詳しい機序は不明ですが、肺血栓塞栓症で梗塞が起こることは覚えておくとよいと思います。