PTHとPTHrPとの違い。

最終確認日:2017/07/25 最終更新日:2017/07/25

コウメイ:PTHとPTHrPとの違いについて質問をいただいたので回答します。

読者からの質問

肺の扁平上皮癌にてPTHrPが過剰産生され高Ca血症になるのですが、この時なぜ代謝性アルカローシスになるのですか。PTHとPTHrPの腎臓における作用は異なるのですか。

 

まず基本的事項としてPTHrPはPTH-related proteinの略で主に扁平上皮癌成人T細胞白血病(ATL)で高くなります。

PTHrPを説明するよりPTHを説明したほうが分かりやすいのでまずはPTHから説明します。

 

PTHの作用

PTHは主に腎臓に作用します。具体的にどのように作用するか見て行きましょう。

PTHの骨への作用

PTHは骨吸収を促進します。骨吸収とはCaが骨から血中に移動することをいいます。血中から骨ではありません。勘違いしやすいので注意です。

骨はいろいろな成分からできています。ですので骨吸収の際、Caだけでなくそのまわりにある成分も溶けて血中へ移動します。その成分のひとつにOHがあります。OHが多いとアルカローシスになりますね。とりあえず、ここまで覚えてください。

PHTの腎臓への作用

Caの再吸収促進とHCO3の再吸収抑制を行います。HCO3の再吸収抑制を行うということは血中でのHCO3が減るということです。その結果、アシドーシスになります。ここまではいいでしょうか?

骨への作用ではアルカローシスに、腎臓への作用ではアシドーシスになることが分かりました。

じゃ、結局アルカローシスなの?アシドーシスなの?どっち?と思われると思いますがアシドーシスになります。

※これは骨、腎臓での酸・塩基のバランスの問題なのであまり深く考えても意味はありません。

 

PTHとPTHrPとの違い

以上をふまえたうえでPTHとPTHrPとの違いについて考えていきましょう。大体は同じなのですが一か所違うところがあるんです。どこだと思いますか?

実はPTHrPはPTHに比べ腎臓でのHCO3の再吸収抑制が弱いんです。

※再吸収抑制が弱い⇛再吸収されやすい

その結果、腎臓からHCO3が再吸収され血中でのHCO3が増えます。HCO3の増加はアルカローシスになりますので、PTHrPが作用すると、代謝性アルカローシスになります。

なぜPTHはHCO3の再吸収抑制が強く、PTHrPは弱いかまではつっこまないほうがいいです。そこまで気にすると国家試験の勉強が永遠に終わりません。この辺で終わるのがベターかと思います。

旧ブログでも書きましたが国家試験の勉強は浅く、広くが重要です。今回は以上で終わりです。お疲れ様でした(^_^)