肺高血圧症で肺動脈楔入圧が正常である理由 | そもそも肺動脈性楔入圧とは?

最終確認日:2017/07/25 最終更新日:2017/07/25

コウメイ:読者の方から「肺高血圧症」について質問をいただきましたので回答します。きとんと勉強しているひとはきっと同じ疑問を持つはずです。まずは質問から見てみましょう。

読者からの質問

MCTDなどでは、肺動脈楔入圧は正常だと習ったのですがなぜなのでしょうか。肺の血圧が上がれば、弁などのしきりのない左房の圧も上がりそうに思えます。

 

コウメイ:いい質問ですね。私も学生のころ、肺動脈楔入圧がよく分からず色々と考えていました。できるだけ分かりやすく解説していきたいと思います。

血圧はどのように高くなるのか?

まずは、「血圧はどのようなときに高くなるのか?」ということを考えてみましょう。

血圧は血管が細い部分に無理に血液を送ったときに高くなります。もっと具体的にどこの圧が上がるかというと、血管の細い部分とその前の圧を発生させる部分とのです。

圧を発生させる部分とは左室もしくは右室です。当然ですが、圧を発生させる部分がないと血圧は高くなりません。というか血圧は生じません。

勘違いしやすいのですが、細い部分より末梢では圧は上がりません。ホースをイメージすると分かりやすいです。

ホース

 

水が流れているホースの一部を潰すと、蛇口と潰した部分の間はパンパンに硬くなりますが、潰した部分より末梢は硬くなりませんよね。つまり、圧は高くなっていないのです。
※潰した部分=血管が細くなっている部分です

 

肺動脈楔入圧とは?

ところで、肺動脈性楔入圧ってどのようにして測るか知っていますか?

肺動脈性楔入圧はカテーテルを肺動脈の奥まで進め、バルーンを膨らませ血流を止め、バルーンより末梢の圧を測定します。

  • 血流を止める
  • バルーンより末梢の圧

というのが重要なポイントです。

肺動脈性楔入圧 

 

 バルーンで血流を止めるとどうなるのでしょうか?右室が収縮してもバルーンより先には血液が流れません。つまり、圧を発生させるものがありません。ですので、バルーンより末梢は圧が高くなりません。

ちなみに、バルーンより先は肺毛細血管、肺静脈、左心房と同じ空間になりますので、基本的にこれらの圧は等しくなります。

MCTDでは肺毛細血管、肺静脈、左心房に病変はありませんので、これらの圧は正常となります。 以上で解説は終わりです。