【眼科6】眼科の検査 〜細隙灯顕微鏡、眼圧、視覚誘発電位、網膜電図〜【108B34、106E14、105B24、103E6】

※全18回です。目次はこちらです。

コウメイ:今回は眼科特有の検査について説明していきます。まずはこの問題からです。

医師国家試験108B34

細隙灯顕微鏡で診断できるのはどれか。2つ選べ

a 近視
b 原発開放隅角緑内障
c 虹彩炎
d 色覚異常
e 水晶体偏位

正解はc(虹彩炎)とe(水晶体偏位)ですが、

細隙灯顕微鏡で診断できるのは虹彩炎と水晶体偏位
細隙灯顕微鏡で診断できるのは虹彩炎と水晶体偏位
細隙灯顕微鏡で診断できるのは虹彩炎と水晶体偏位

と呪文の様に唱え、丸暗記しては意味がありません。まずは細隙灯顕微鏡がどのようなものか実物を見てみましょう。

目次

1)細隙灯顕微鏡

細隙灯顕微鏡_リィツメディカル
画像:リィツメディカル

細隙灯顕微鏡はこのような器械です。眼科病棟で見たことがあるでしょう。強い光を眼に当てて検査をします。

2)細隙灯顕微鏡での見え方

細隙灯顕微鏡で見るとどのように見えるか実物を見てみましょう。

医師国家試験105I75_画像_細隙灯顕微鏡_改変1
画像:医師国家試験105I75より改変

皆さんが覚えるべきはこの画像です。何が見えるでしょうか?

医師国家試験105I75_画像_細隙灯顕微鏡_改変2
画像:医師国家試験105I75より改変

強膜、角膜、虹彩、前房、水晶体、硝子体の一部が見えます。例えば、虹彩の炎症である虹彩炎、水晶体のズレである水晶体偏位を診断することができます。もちろん他の異常も調べることができます。別の問題を見てみましょう。

医師国家試験106E14

検査の様子(A)とその検査所見(B)とを別に示す。

医師国家試験106E14_画像A_直接眼圧測定
A
医師国家試験106E14_画像B_直接眼圧測定
B

この検査で異常高値を示す眼疾患はどれか。

a 緑内障
b 角膜潰瘍
c 網膜剥離
d 加齢白内障
e 視神経管骨折

この検査は一体何をしているのかを理解しましょう。

3)直接眼圧測定

まず、白い部分を角膜に直接当てます。

直接眼圧測定

当然ですが、何も処置をせずに角膜に触れると激痛ですので、点眼麻酔をしておきます。その後、細隙灯顕微鏡でピンク矢印のところから見ると、画像Bが見えます。

白い部分を眼に押し当てる力を強くしたり、弱くしたりすると半円が下のようになります。

直接眼圧測定_アプラ_

bのように上の半円と下の半円の端が重なるように眼に押し当てる力を調節します。問題の写真には写っていませんが、近くに数字が書いてある部分があり、それが眼圧になります。眼圧を測定するため緑内障の診断に役に立ちます。

ところで皆さん、眼科で眼に空気を当てる検査をされたことはありませんか?実はあの検査は眼圧を測っています。眼に空気を当てると少し角膜がへこみます。そのへこみ具合で眼圧を測定することができるのです。眼に直接器械を当ててはいないので間接眼圧測定と言います。

皆さんが検査を受ける立場なら、眼に直接触れる検査と、空気を当てるだけの検査のどちらを受けたいですか?空気を当てるだけの検査の方がいいですよね。ではなぜ眼に直接触れる検査が存在するのでしょうか?

それは眼に直接触れる方が正確だからです。正確に値を知りたいときは眼に直接触れる方法で眼圧を測ります。

4)網膜電図(ERG)と視覚誘発電位(VEP)

最後に、網膜電図(ERG)と視覚誘発電位(VEP)について説明しましょう。何となく名前が似ている検査ですが別物です。覚えるべきは

  • 網膜電図は眼に電極をつけて、網膜の病気を調べる検査
  • 視覚誘発電位(VEP)は後頭部に電極をつけて、視神経〜脳の病気を調べる検査

ということです。以上を踏まえた上で問題を見てみましょう。

医師国家試験105B24

視覚誘発電位が異常を示すのはどれか。

a 角膜潰瘍
b 視神経炎
c 春季カタル
d 硝子体混濁
e 動眼神経麻痺

今回は視覚誘発電位なので視神経〜脳の病気です。ですので、視神経の病気である視神経炎が正解になります。 

角膜潰瘍は角膜ですし、春季カタルは結膜のアレルギーですし、硝子体混濁は硝子体の病気なので関係ありません。動眼神経麻痺は神経の病気ですが、視神経ではなく動眼神経なので関係ありません。次の問題です。

医師国家試験103E6

暗室で行う眼科検査の写真を別に示す。

網膜電図(ERG)_医師国家試験103E6_画像

この検査で得られる情報はどれか。

a 眼軸長
b 角膜内皮細胞数
c 角膜知覚
d 網膜電図〈ERG〉
e 視覚誘発電位〈VEP〉

眼に電極をのせているので網膜電図です。以上、眼科特有の検査について説明しました。今まで何となく丸暗記していた方も、大分きちんと理解することができたのではないでしょうか?

次回は緑内障について説明します。

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