挿管は必要?

最終確認日:2017/07/27 最終更新日:2017/07/27

コウメイ:前回に引き続き挿管の適応について説明していきます。

前回の記事はこちらです。
重症そう⇒挿管はダメ!! | 第100回医師国家試験E-43

 

挿管の適応

まず、挿管の適応ですが絶対的な基準はないです。以下の際は挿管を検討します。

※挿管をするではありません、検討するです。

  • 低酸素血症
  • 高二酸化炭素血症
  • 気道の閉塞
  • 意識障害(GCS8点以下)

 

この患者はどれかに当てはまるでしょうか?

 

学生B:低酸素血症、高二酸化炭素血症はありません。気道の閉塞もなさそうです。意識障害はありそうです。

 

コウメイ:そうですね。意識障害があるので挿管の検討は必要ですね。ただ、今すぐ挿管しなければならないということではありません。ちなみに挿管というとどのようなイメージがありますか?

 

学生B:これを気道にいれるだけです。実習のとき人形で練習しましたけど結構簡単でした!!

挿管チューブ

 

コウメイ:人形だとただ口を開いていれればいいのですが、実際にヒトでやる場合はそんな単純にはいきません。

 

挿管の実際

鎮静

まず、鎮静の必要があります。鎮静をしないでただ挿管チューブを入れるととても苦しいです。激しく抵抗します。試しに、自分ののどに指を入れてみてください。どうでしたか?

 

学生B:(おえっ)ひじょ・・に・・ぐるしいです。

筋弛緩薬 | 声帯痙攣の危険性

コウメイ:また、このとき声帯痙攣が起こる可能性があります。声帯が痙攣すると気道が閉じます。致死的です。それを防ぐために筋弛緩薬が必要です。

器械の準備

ベンチレーターの準備も必要です。

ベンチレーター

 

この器械高いです。病院に何十台もあるものじゃありません。保管しているところにとりにいく必要があります。このようにいろいろ準備が必要です。慣れた医師、施設ならすぐにできるのかもしれませんが、そうでないと10分~20分はかかります。

誤嚥、気道損傷、食道挿管などリスクも高いです。手術の際の挿管はともかく、こういう場面での挿管はかなり難しいです。研修医や慣れていない医師がそう簡単にできるものではありません。

※専門の先生が書かれているブログがありましたので紹介します。非常に臨場感があり参考になります。
緊急挿管

もちろん、挿管の準備をしておくのは大事です。ただ、その際もいきなり挿管するのではなく、鼻カテやフェイスマスク、バイパップなどで対応できないか検討することが必要です。それらで対応できるのであれば、無理に挿管する必要はありません。

一方で、抗生剤投与やドパミン投与は絶対に必要な治療で、誰でもすぐに行うことができます。この患者は輸液が開始されています。つまり、ラインは確保されていますので、そこにこれらをつなげばいいのです。誰でも、数分でできます。

問題では次に行う対応を問うています。気管挿管よりは抗生剤、ドパミンがいいかと思います。以上、長くなりましたが挿管についての説明をしました。今回は以上で終わりです。お疲れ様でした(^_^)