重症そう⇒挿管はダメ!!

最終確認日:2017/07/27 最終更新日:2017/07/27

コウメイ:なんとなく重症そうなひとだと、どんなときでも挿管を選ぶひとがいますがそれはダメです。例えばこのような患者です。

第100回医師国家試験E43

60歳の男性。意識障害のため搬入された。3日前から排尿困難と38.0℃の発熱とを生じ、全身倦怠感を訴えていたが今朝から家人の呼びかけに応答しなくなった。5年前に糖尿病を指摘されたが放置していた。1年前に尿の出にくさを自覚し、近医を受診したところ残尿が40mlであった。意識は混濁。

身長 160 cm。体温 39.2 ℃。脈拍 112/分、整。血圧 66/40 mmHg。四肢は温かい。直腸診で前立腺は軟らかく触れる。
尿所見:蛋白2+、糖3+、潜血2+。沈渣に赤血球 20 ~ 30 /1視野、白血球 100以上 /1視野。
血液所見:赤血球 381 万、Hb 11.5 g/dl、白血球 13,600、血小板 36 万。
血液生化学所見:血糖 320 mg/dl、尿素窒素 36.0 mg/dl、クレアチニン 3.2 mg/dl。CRP 18.5 mg/dl。
動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH 7.30 、PaO2 80 Torr、PaCO2 35 Torr、HCO3- 18 mEq/l。

直ちに末梢静脈から輸液を開始した。次に行う対応として適切なのはどれか。2つ選べ。

  1. 輸血
  2. 気管挿管
  3. 血液透析
  4. 抗菌薬投与
  5. ドパミン投与

 

学生B:感染症っぽいので抗菌薬は必要だと思います。後、重症なので気管挿管もした方がいいのかなぁ?

 

敗血症性ショックの治療

コウメイ:正解は抗菌薬投与ドパミン投与です。この患者は尿路感染が原因の敗血症性ショックです。抗菌薬が必要なのは明らかだと思います。

ドパミンとは?

もうひとつの正解はドパミンですけど、見たことありますか?スルーせず確認しましょう。こんな感じです。持続点滴します。

プレドパ

 

ドパミンは昇圧作用があります。この患者は血圧66/40mmHgと敗血性ショックになっているので昇圧の必要があります。

 

この患者に気管挿管は必要でしょうか?

続きは次回です。
挿管は必要? | 第100回医師国家試験E-43

 

追記

記載:2017/07/28
敗血症に対する昇圧薬は以前はドパミンを使用することが多かったです。しかし、最近の研究ではドパミンよりノルアドレナリンの方が予後が良いとされています。同様の問題が出題されたらノルアドレナリンを選択しましょう。