膀胱炎で発熱する?

最終確認日:2017/07/23 最終更新日:2017/07/23

コウメイ:Yさんから発熱について質問をいただきました。学生のうちはあまり気にしない症状ですが、研修医になると一番多く経験する症状ですので今のうちからしっかり勉強しときましょう。まずは質問を見てみましょう。

読者からの質問

発熱について質問です。管腔臓器は発熱せず、実質臓器は発熱すると習いました。なぜ管腔臓器である膀胱炎は発熱せず、実質臓器である腎盂腎炎、精巣上体炎、前立腺炎は発熱するのですか?

 

体温調節は視床下部で行われる

コウメイ:そもそも体温調節ってどのように行われているか知っていますか?

 

学生B:僕は暑いときはエアコン、寒いときはこたつに入っています。湯たんぽなんかもエコだし最近人気なんですよ!!

 

コウメイ:分かりました、もう大丈夫です。体温調節は視床下部で行われています。基本的には37℃前後にセットされているのですが、炎症物質が作用すると38℃〜40℃にセットされます。この結果、発熱が起こるわけです。

 

炎症物質は血液中に存在する

先ほど炎症物質が作用すると発熱が起こると説明しましたが、体のある部分に炎症物質があってもそれが視床下部へ届かなければ発熱は起こりません。

それでは、管腔臓器と実質臓器とについて、炎症物質が視床下部へ届くか考えていきましょう。

管腔臓器(膀胱炎)

管腔臓器は主に膀胱のことです。膀胱炎とは膀胱の中で炎症が起きています。はたして、これが視床下部へ伝わるでしょうか?

 

学生B:ん〜、どうですかね?

 

コウメイ:結論から言うと伝わりません。膀胱内には尿がたまっていますよね。それが周りに漏れたら大変ですので、膀胱内は周りとのつながりがありません。ですので視床下部へ炎症が起こっていることが伝わることはありません。発熱も起こりません。

実質臓器(腎盂腎炎、精巣上体炎、前立腺炎)

次に実質臓器の説明ですが、管腔臓器との決定的な違いは周囲にたくさん血管があることです。特に腎臓なんて血管の塊です。周囲に血管があると炎症物質が血管に入り、心臓へ戻り、脳(視床下部)へと運ばれます。その結果、発熱が起こるのです。

以上が発熱する、しないの説明ですが納得していただけたでしょうか。

 

研修医になってからのお願い

ここからは研修医になる皆さんへのお願いです。先ほど膀胱炎は発熱がなく、腎盂腎炎は発熱があると説明しました。これは非常に大事な知識ですので忘れないようにしてください。なぜなら膀胱炎はそれほど重篤な病気ではありませんが、腎盂腎炎は致死的な病気で鑑別が非常に大切だからです。

くれぐれも、膿尿と発熱がある患者に、「ちょっとひどい膀胱炎ですね。でもそのうち治るんで全く心配ないですよ」などという対応はしないようお願いします。

今回は以上で終わりです。お疲れ様でした(^_^)