心静止と補充調律 〜房室結節とヒス束は機能しないのか?〜

コウメイ:心静止について質問をいただきました。

読者からの質問

心静止について質問です。洞結節の命令がない状態が心静止だと思います。洞結節が機能しない場合房室結節が、房室結節が機能しない場合ヒス束が、ヒス束が機能しない場合プルキンエ線維が刺激を送ると学びました(房室結節:50/分、ヒス束以下:30/分)。

心静止は洞結節だけではなく、いずれの刺激伝導系も機能しておらず電気刺激のない状態という理解で間違いないでしょうか?

目次

1)心静止はいずれの命令もない

結論から言えば質問者様の理解で間違いありません。心静止は洞結節はもちろん、房室結節、ヒス束、プルキンエ線維からの命令がない状態です。

2)補充調律は常に起こるわけではない

教科書には洞結節が命令を出さない時に、房室結節、ヒス束、プルキンエ線維が命令を出すと書いてあります。これを補充調律言いますが、補充調律は絶対に起こるものではありません。

どういうときに補充調律が起こり、どういうときに補充調律が起こらないかを説明する文献は見たことがないので、あまり気にしなくてよいと思います。

3)補充調律は不安定

ただし、補充調律は不安定ということは覚えておくとよいです。補充調律が出現したかと思ったらすぐに無くなってしまうことがあります。補充調律が見られたからといって安心することのないようにしましょう。

以上で質問への回答は終わりです。

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