本気で合格したければ医師国家試験の過去問は10年分解こう【105A35、100F52】

コウメイ:過去問を回数別で解くことは非常に大切です。最低でも5年分、できたら10年分解くことをおススメします。なぜか3年分しかやらないひとがいますが、それ以前の問題も普通に出題されます。例えばこんな感じです。

医師国家試験105A35

32歳の女性。暑がり、発汗過多、手指振戦および労作時の動悸を主訴に来院した。2週前から症状が出現したという。感冒様症状の先行はない。身長162cm、体重52kg。体温36.2℃。呼吸数28/分。脈拍104/分、整。血圧128/72mmHg。甲状腺はびまん性に腫大、弾性硬、表面に軽度凹凸を認め、圧痛を認めない。皮膚は湿潤し、手指に振戦を認める。血液生化学所見:総コレステロール105mg/dL、AST 20U/L、ALT 26U/L、TSH 0.1μU/mL(基準0.2~4.0)、FT4 3.2ng/dL(基準0.8~2.2)。99mTcO4甲状腺シンチグラムを別に示す。

医師国家試験105A35_画像_無痛性甲状腺炎の甲状腺シンチグラム

考えられるのはどれか。

a Basedow病
b Plummer病
c 無痛性甲状腺炎
d 甲状腺未分化癌
e 急性化膿性甲状腺炎

TcO4の取り込みが見られるのでaのBasedow病ではありません。TcO4の取り込みが見られないので選択肢cの無痛性甲状腺炎です。

医師国家試験105A35_画像解説_無痛性甲状腺炎の甲状腺シンチグラム

取り込みが見られるのは耳下腺、顎下腺、鼻、口蓋であり甲状腺ではありません。一度解いたことがないと、甲状腺に取り込みがあると思ってしまいますよね。初見で解くのは難しいと思います。

しかし、5年前とほぼ同じ問題です。

医師国家試験100F52_画像_無痛性甲状腺炎の甲状腺シンチグラム
画像:医師国家試験100F52

正解率は4割程度でした。4割の方がaのBasedow病を選んでしまっています。過去問をきちんと解いていないのでしょう。過去問の演習は3年分では不十分です。10年分解くことをお勧めします。10年分解くには年末から始めたのではとても間に合いません。今から少しずつ解くことをお勧めします。

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