Hodgkinリンパ腫でリンパ球が減少する理由

コウメイ:読者の方から「Hodgkinリンパ腫でなぜリンパ球が減少するのか?」との質問をいただきましたので回答します。

読者からの質問

なぜHodgkinリンパ腫で末梢血のリンパ球が減少するのでしょうか?リンパ節でのリンパ球が増えるから末梢血でも増えるような気がします。授業ではRS細胞が骨髄でのリンパ球の増殖を抑制すると習いましたがあまり納得できません。

目次

1)Hogkinリンパ腫はリンパ節に存在する

Hodgkinリンパ腫はリンパ腫だけあってリンパ節にできます。容易に血管を移動して全身に移動するのではなく、リンパ節にとどまるのがHodgkinリンパ腫の特徴です。

2)リンパ球数は血液中のリンパ球数の数

ところで検査値のリンパ球数とはなんでしょうか? 当然ながら血液中のリンパ球の数(正確には密度)です。Hodgkinリンパ腫はリンパ節で増えまずが、血液検査は血液を調べます。ですので血液検査でリンパ球数が増える理由はありません。

しかし、ここからが問題なのです。リンパ球数は不変ではなく、減ってしまうことがあります。

3)Hogkinリンパ腫でリンパ球が減少する理由(私見)

Hogkinリンパ腫でリンパ球数がなぜ減るかは詳しくは分かっていないと思います。以下は私の考えです。

骨髄での増殖が減少

骨髄での増殖が減少している可能性はあります。ただし、Hodgkinリンパ腫が直接骨髄に浸潤して骨髄抑制を起こしているわけではないと思います。当然、骨髄に浸潤したら骨髄抑制が起こりリンパ球数は減少しますが、それはどんな癌でも同じです。骨髄に浸潤しないうちからリンパ球数が減少するのがHodgkinリンパ腫の特徴です。

サイトカイン

骨髄に浸潤せず骨髄抑制を起こす理由としていくつか考えられますが、骨髄での細胞分化を抑制するサイトカインを産生するのはそのひとつです。サイトカインには色々な働きがありますが、リンパ球の産生を抑制するものもあるのでしょう。具体的なサイトカイン名は分かりませんが、何かしら抑制系のサイトカインを産生している可能性はあります。

以上で説明は終わりです。先程も言いましたが、実際にははっきりとは分かっていないと思います。あくまで私の考えです。

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