慢性膵炎で外分泌機能が低下するのに血清アミラーゼ値が上がる理由

コウメイ(@kokusigokaku):読者の方から慢性膵炎について質問をいただいたので回答します。まずは質問を見てみましょう。

読者からの質問

慢性膵炎について質問です。イヤーノートに血清アミラーゼ・リパーゼ上昇とありました。慢性膵炎では外分泌機能は低下するはずなのに、なぜ血中濃度は上昇するのでしょうか?

 

目次

アミラーゼやリパーゼは消化管に分泌される

アミラーゼやリパーゼは消化管に分泌されます。普段これらの血中濃度があがることはありません。

膵炎ではアミラーゼやリパーゼが血中に入る

しかし、膵炎では膵臓で炎症が起こっているため周囲の血管が傷害され、そこから血管内にアミラーゼやリパーゼが入ります。その結果、外分泌能は低下しても血管内に入る割合が大きくなるので血中濃度が上がるのです。

なお、慢性膵炎の末期は外分泌能がなくなりますので、血中濃度は上がりません。

以上で説明は終わりです。

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